介護施設における、ベッド上でのおむつ交換の手順とコツについて解説します。手順については、基本的な順序を解説していますが、利用者さんの状態に合わせて適宜変更することを念頭に参考にしていただければ幸いです。おむつ交換は、一日に何度も行うケアの1つですので、ある程度スピードが求められます。おむつ交換がスムーズにいくかどうかは慣れもありますが、準備が非常に重要です。事前に必要なものをしっかりと揃えてからケアを開始しましょう。とはいえ、最重要ポイントはスピードではなく、利用者さんの羞恥心などに配慮した寄り添ったケアを行うことです。早さにとらわれ過ぎて、本来行うべき配慮を忘れてしまわないよう注意しながらケアを行いましょう。
介護士は、おむつ交換を始め、食事介助や入浴介助など日々、様々なケアに携わります。時間の余裕がない中で、できるだけ早く、そして正確に業務をこなしたいと感じることも多いでしょう。
特におむつ交換に関しては、一日に行う回数も多く、苦手意識があると非常に大変です。
そこで本記事では、おむつ交換の手順や素早く交換を終えるコツなどを解説します。また、注意点も併せて解説しています。
普段の業務に活用できるポイントはないか?と考えながらご覧いただけると幸いです。
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ベッド上でのおむつ交換の手順
早速、おむつ交換の手順を解説します。
準備~実践までを順に解説していきますので、準備で足りていないものはないか、自分の手順に工夫できるところはないかなどを考えながら、ご覧ください。
なお、今回ご紹介する手順は、必ずこのとおりに進めなければいけないというものではありません。筆者がおむつ交換をする際にスムーズに進めるためにと意識しているポイントはお伝えしますが、利用者さんの状態などによっても適切な手順は変わる場合があります。
ご自身が担当する利用者さんの状態に合わせてご活用ください。
介護施設におけるおむつ交換の手順【準備編】
まずは、おむつ交換に入る前の準備から見ていきましょう。おむつ交換をスムーズに済ませるには、準備が肝心です。
【準備するもの】
- 使い捨て手袋
- トイレットペーパー
- 陰洗ボトル
- せっけん
- タオル
- おむつ・パッド
- 新聞紙
- 軟膏類
使い捨て手袋は、予備も含めて数枚持っておきましょう。トイレットペーパー・陰洗ボトル・せっけん・タオルは排泄物の拭きとりや陰部の洗浄に使用します。新聞紙は汚れたパッドとおむつを包んで捨てる際に使用しましょう。便汚染などの場合は特に、新聞紙等を使って、汚れが外から見えないようにしてからゴミ箱に捨てるのがマナーです。
軟膏類は必要なければ省いて構いません。アズノールやワセリンなどを排泄介助時に塗布するよう指示が出ている方の場合は、忘れずに準備しておきましょう。
介護施設におけるおむつ交換の手順【実践編】
続いて実践編です。おむつ交換は以下の手順で進めることが多いです。まずは全体の流れを確認しましょう。
- 声かけ
- おむつを外す
- 新しいパッドやおむつを用意する
- パッドだけを外して陰部洗浄
- 新しいおむつを付ける
- 下着などを整えて、布団をかける
居室に入ったら、まずは声かけを行います。これからおむつ交換をしても良いかの確認や手順を簡単に説明しましょう。意思の疎通が図れない方の場合でも、無言で布団をめくるなどの行為は絶対にNGです。必ず、今からおむつ交換をする旨を伝えてからケアをはじめましょう。
声かけを行ったら、ズボンをずらしておむつのテープを外し、パットの汚れ具合を確認します。確認できたら、新しいバットやおむつを広げて準備しておきましょう。
陰部をみられることは羞恥心を伴いますので、できるだけ素早く、スムーズに行えるように心がけるのがポイントです。
汚れが酷い場合やでん部に傷があり特に清潔を保たなければいけない場合などは陰部洗浄をした後に新しいパットに交換します。
排尿のみの場合や汚れがあまりひどくない場合は、温かいタオル等で拭き取りをしてから新しいパットを当てましょう。
パットを交換しておむつの位置や下着を整えたらズボンを履かせて、布団をかけ、終了です。
おむつ交換のコツ
続いて、おむつ交換のコツを解説します。コツといっても様々ありますが、おむつ交換を上達させたい場合、一番上達が早いのは、直接教わることです。介護は、1人で黙々と行う仕事ではありません。様々な経験のある職員と一緒に働く機会があるはずです。その環境を活かし、積極的に技術を教わりましょう。
また、利用者さんの排泄リズムや量を把握することも非常に大切です。排泄リズムや尿量を把握することでおむつ交換のタイミングを決めることもできますし、適切なパットの種類を選ぶことで漏れを防止できます。
漏れ防止の観点で言えば、おむつを付ける際、ギャザーを立てて、おむつの中心線がしっかり身体の中心に来るようにすると尿量が多い場合もパットの吸収量ギリギリの尿量が出ていた場合も漏れにくいので、是非意識してみてください。
おむつ交換の注意点
おむつ交換を行う際は、正確さやスピードは非常に重要です。しっかりとパットを当てることができれば、交換もスムーズに行うことができ、利用者さんへの負担も少なくて済みます。
ただし、スピードに追われて、利用者さんへの配慮が足りなくなってしまわないように十分注意しましょう。認知症を患っていても、意思の疎通が不可能な方であっても、その方の尊厳を大切にし、羞恥心に配慮したケアを第一に考えて実践する気持ちを忘れずに。
また、おむつ交換は、ただ汚れたものを綺麗にするだけのケアではありません。便の形状やにおい、色などを観察し、異変が無いかを確認することも必要です。さらには、皮膚の異変がないかについても併せて確認しておきましょう。
おむつ交換の疑問解説【拒否がある時は?所要時間の平均は?】
最後におむつ交換の際に生じることの多い疑問について解説をします。
おむつはどうやって捨てるの?
中身が見えないように、新聞紙などに包んで捨てましょう。汚れている部分が見えてしまうと、見た目的にも衛生的にも良くありません。汚れが見えないようにし、専用のゴミ箱に捨てましょう。なお、外出先などで、普通のゴミ箱に捨てるのはNGです。
拒否がある時の対応
他のケアの際も同様ですが、拒否がある場合は、その場で無理やりケアに入らず、時間を置いてから再度ケアを試みるのが一般的です。また、トイレやおむつといった単語を出さないなどの工夫も有効ですので、ぜひ活用してみてください。
おむつ交換の頻度はどのくらいが正解?
おむつ交換の頻度は「人による」というのが回答です。尿量や排泄リズムは個人差があるため、利用者さんそれぞれの排泄のパターンを把握して排泄介助のタイミングを同じフロアで働く職員と協議するのがベストです。
おむつ交換の所要時間は?素早く終えるコツとは?
おむつ交換のスピードをあげるには、準備をしっかりして、介助にはいることと、手順に慣れることが重要です。とはいえ、早ければ良いというものでもありません。利用者さんが不快な思いをせず排泄介助が受けられるように工夫することの方がはるかに大切です。
スピードは慣れてくれば誰にでも身につくものですので、それよりもできるだけ不快な思いをさせずにケアにあたることを第一に考えてみてください。
まとめ
本記事では、おむつ交換を行う際の手順とコツ、注意点などについて解説しました。おむつ交換は、介護士であれば絶対に関わるケアの1つであり、現場の状況によってはある程度のスピード感を求められます。
そのため、コツや時間短縮の方法を探す方も多いでしょう。業務に不慣れなうちは、周りと比べてスピード感が足りないと焦る気持ちも理解できます。しかしながら、数をこなすことにとらわれ、ケアの質が落ちてしまっては本末転倒です。
スピードが遅いと感じる場合は、先輩職員に自分のケアを見てもらい、ダメ出しをもらったり、コツを聞いたり、一緒にケアに入らせてもらったりするのも非常に有効です。
沢山ケアに携わっていれば、スピードと質を兼ね備えたケアができるようになりますので、周りの職員からも様々なコツを学びつつ、しっかりと自分の業務をこなしていきましょう。
