介護業界は、2000年頃から誕生したばかりのまだ新しい業界です。近年、介護職員の処遇を改善する動きも活発になってきており、なおかつ売り手市場であることなどから、異業種からの転職を検討する方も増えてきています。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う景気の低迷なども、介護業界への転職希望者を増加させる1つの要因と考えられるでしょう。転職を考えている場合は、介護士の仕事内容をよく理解し、介護業界に特化した転職エージェントを使うなどして転職の成功率を高められます。本記事では、介護業界への転職で失敗しないコツなどもまとめています。
介護業界への転職を検討している方の中には、周りに相談できる環境がなく、「介護の仕事に興味はあるけど、異業種からの転職で失敗したくないな…」と不安を抱えている方もいるのではないでしょうか?介護業界は、まだまだ新しい業界であり、求人数は非常に多い業界です。そのため、ポイントを抑えて転職活動に臨めば、大きな失敗をすることもありません。本記事では、介護業界の転職動向や介護士への転職に失敗しないためのポイントについてまとめました。本記事を参考に、介護業界への転職をスムーズに進めていただければ幸いです。
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介護業界の特徴
まずは、介護業界の特徴を簡単にお伝えします。介護業界は、介護保険制度が整備された2000年ごろから誕生した、比較的新しい業界です。儲けを出すことよりも、社会貢献に重きを置く業界であり、「人の役に立ちたい」という想いが少しでもあるほうが、向いていると感じられる瞬間は多いかもしれません。株式会社、医療法人、社会福祉法人など様々な企業・法人が参入していますが、介護保険制度の元に成り立っているため、給与を大幅に高くするといったことは難しいのが現状です。とはいえ、日本は超高齢社会の一途を辿っており、介護のニーズは高まる一方です。介護職員の処遇改善を目的とした、処遇改善加算の導入などにより、徐々に介護士の給与は上がってきています。
異業種から介護士へ転職する人が増えている理由6選
現在、新型コロナウイルス感染症の大流行などをきっかけに、異業種から介護業界に転職する人が増えている現状をご存じですか?ここでは介護業界に転職を検討する代表的な理由を6つご紹介します。
将来的なニーズが見込める
日本は超高齢社会であり、今後も高齢者の数は増えていく予想です。さらに、少子化も進んでおり、介護サービスを使わずに家族だけで高齢の親を看るのは、難しい状況が続くとされています。このような状況にある日本において、介護サービスのニーズは今後も高いまま推移していくと予想されるため、介護業界で働くことで失業のリスクを軽減できると考える方が増えたと考えられます。
景気に影響されず、給与が安定している
介護の仕事は、需要が安定しているため、給与や求人の数などが景気の影響を受けにくい傾向にあります。実際、コロナ禍でも特養など24時間稼働の施設に勤めている介護士の場合は、給与が減るなどの影響を受けた方はあまり多くないでしょう。それどころか、筆者の職場では、コロナ禍で働いた際の奨励金として10万円の支給がありました。こういった現状も介護業界への転職を考える方が増えた要因でしょう。
国家資格の取得が見込める
介護現場で経験を積むことで、国家試験の受験資格が得られます。介護は学歴や職歴が非常に問われにくい職種ですが、3年の実務経験を積み、所定の条件を満たすことで「介護福祉士」の国家試験受験資格を獲得できます。
学歴や職歴がない方で手に職をつけたい方が介護業界への転職を目指すという場合も少なくありません。
一度経験しておけば、再就職も容易
介護業界は、常に人手不足と言われるほど、売り手市場の業界です。一度経験を積んでしまえば、再就職は難しくありません。全国どこでも仕事をすることができます。こういった安定性の高さも介護業界に転職を検討する理由として考えられます。
無資格でも従事できる
介護の仕事は、非常に敷居が低く、無資格からでも始められます。看護師のように資格が必要と考えている方もいるかもしれませんが、実際は無資格の状態から現場で働くことができ、学歴も不要なため、非常に始めやすい職種である点も転職を検討しやすい要因の1つでしょう。
求人が多く、働き方が選べる
介護業界は人手が足りていないため、正社員求人も多くあります。そのほか、派遣やパートなど働き方も選べるため、自分のライフスタイルにあった働き方が可能です。柔軟な働き方で、ある程度の収入が欲しいと考えている方が転職を検討する場合もあるでしょう。
介護で活きる異業種のスキル
続いて、介護業界で活かせる異業種のスキルをご紹介します。
異業種からの転職の場合、これまで培ってきた経験やスキルがおありでしょう。その経験やスキルを無駄にすることなく活かせるのも介護業界の魅力です。
接客
高級志向の有料老人ホームなどでは、丁寧な対応が求められる場面も多いため、接客業の経験を活かせる場面は非常に多くあります。接遇や言葉遣いの研修などもあり、社内研修の講師などを任されることもあるかもしれません。
調理
グループホームなどでは、介護士の業務の中に調理が含まれていることもあります。飲食業などで厨房に入った経験のある方は、スキルを存分に活かせるでしょう。
事務
介護士の仕事は書類作成も意外と多いです。しかし、ひと昔前は、介護記録などの書類を手書きで作成する文化があったため、PC操作に慣れていないベテラン職員も意外と多く、重宝されることもあります。
異業種から介護業界への転職を成功させるコツ3選
次に、転職後のミスマッチを防ぐためのポイントをご紹介します。特に重要なポイントに絞って3つ解説しますので、確実に抑えておきましょう。
業界の様子や仕事内容を正確に把握する
未経験で介護業界に入り、すぐにやめてしまう人は、大抵「イメージと違う」「こんなことまでするとは思わなかった」と感じていることが多いです。それを防ぐためにも正確な情報収集は非常に大切です。介護職の仕事内容は、施設種別や入居されている利用者さんの状態で異なりますが、大まかなことは介護施設や法人のサイトに記載されている場合も多いため、事前に確認しておくことをおすすめします。
複数の職場を見学してから決める
介護士の活躍の場は、介護施設・医療機関・要介護者の自宅など複数あります。職場によって雰囲気や業務の内容が異なるため、気になる職場をいくつか見学してから転職を決めると良いでしょう。介護施設は、基本的に求職者の見学は可能ですが、事前に問い合わせ、予約していくのがマナーです。また、面接の際に施設内の見学を申し出るのもおすすめです。
希望条件を明確にして、優先順位を決める
介護職の求人は、非常に多くあります。そのため、転職エージェントなどを利用する際は、条件を明確にしておかないと自分の望む求人を紹介してもらいづらくなる場合があります。休みの多さや給与など、ご自身にとって譲れない条件を明確にして、事前に優先順位をつけておきましょう。
異業種からの転職の手順7ステップ
では、介護業界への転職を目指す場合、具体的にどのような手順を踏めばよいのでしょうか?
続いては、介護業界へ転職する際の手順を解説します。介護業界の転職は、多くの場合次の7つのステップで進むと考えておくとスムーズです。
- 転職サイトや転職エージェントに登録
- 条件をヒアリングしてもらう
- 求人の紹介を受ける
- 労働条件を確認する
- 履歴書を用意する
- 面接を受ける
- 合否を待つ
もちろん、インターネットを使って自分で求人を探し、直接応募する方法もあります。しかし、介護業界に初めて足を踏み入れる方の場合は、プロに頼るのが転職成功の近道です。転職サイトや転職エージェントに登録し、業界の様子や求人の選び方などアドバイスをもらうことで転職活動の道筋を立てやすくなります。
どのような条件で働きたいかなどをヒアリングしてもらい、その条件に沿った求人を紹介してもらうと、転職後のミスマッチを防ぐことにも繋がるため、非常におすすめです。
異業種からの転職の注意点
最後に、異業種からの転職の際に注意すべき点について解説します。こちらも3つのポイントをご紹介しますので、是非参考にしてください。今からご紹介する3つのポイントに気をつけて転職活動をすることで、業界未経験の方でも、転職の失敗率を下げることができます。
複数の求人を見て十分に比較検討する
1つの求人だけに応募し、即決してしまうのは避けたほうが無難です。業務内容や職場の雰囲気は、施設種別などによって異なりますので、ご自身のイメージと合うかを確認したり、資格取得支援制度の有無などを確認したりすると良いでしょう。
無資格の場合は、資格取得への意欲を見せる
採用時は、施設側もコストをかけています。そのため、多くの施設は、あなたが未経験・無資格であっても、資格取得して経験を積み、長く働いてほしいと考えています。現時点で資格取得を考えていなかったとしても、資格取得を今後視野に入れる可能性を示唆して、その意欲を見せましょう。そうすることで、面接の合格率を高められる場合があります。
介護業界に強い転職サイト・転職エージェントを使う
転職サイトや転職エージェントは数多くありますが、中でも介護の求人数が多いところを利用すべきです。一般の求人を主に扱っている転職サイトにも、介護業界の求人は掲載されていることは多いですが、数はあまり多くありません。介護業界に強い転職サイトや転職エージェントを選び、介護業界に精通したスタッフに担当してもらいましょう。
まとめ
本記事では、介護業界のかんたんな解説から、異業種からの転職が増えてきている理由、介護業界で活かせる異業種のスキル、介護業界への転職で失敗しないコツなどを解説しました。
介護職は、未経験でもすぐに仕事を始めることができますが、国家資格を目指すことや専門知識を学ぶことも十分に可能です。また、経験を積んだのち、看護師やケアマネージャーへのキャリアチェンジも考えられます。非常に選択肢が広がる職種ですので、ぜひ介護業界への転職を前向きにご検討下さい。