この記事のターゲット:介護士としての適性を知りたい方
介護の仕事はやりがいや充実感を得られる非常に有意義な仕事ですが、すべての方が介護の仕事を楽しめるのか、向いているのかと言われればそうではありません。これから介護士を目指そうとしている方は今一度介護士としての適性をチェックしてみましょう。基本的に、お年寄りと話すことが好きな人、 コミュニケーション能力が高い人、思いやりを持って気配りができる人、心身ともに健康な人、土日祝日や夜間に働くことに抵抗がない人は介護の仕事が向いていると言えます。また、介護施設によっても求められる適性が異なり、入所型施設の場合は利用者との関係性を深めたい人、通所型施設の場合は介護初心者さんやパートで働きたい人、訪問介護の場合は利用者個々人のニーズを汲み取るのが得意な人が向いています。反対に、自分のペースで仕事がしたい人、相手の立場に立って物事を考えられない人、潔癖症の人、短気で怒りやすい人、効率重視の人は介護士に向いていない恐れがありますので注意が必要です。
介護士の仕事は人に感謝され、充実感を得られる仕事です。しかしどんな人でも介護士の仕事を楽しめるのか、と言われればそうとは限りません。
「介護士を始めてみたいけど、向いていなかったらどうしよう」
「興味があるけど、仕事をしていて辛かったらイヤだな」
という人は、自分が介護士に向いているのかどうかを判断してみましょう。
この記事では、介護士に向いている人&向いていない人の特徴と、介護施設ごとに求められる人物像についてご紹介します。
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介護士に向いている人の特徴5選
介護士の仕事は、人と関わる内容ばかりです。ときには命を預かるシーンもあるため、「自分には向いていないかもしれない」「荷が重いかもしれない」と、不安になる人も少なくないでしょう。
しかし次の特徴に当てはまるのであれば、介護士の仕事を楽しんで行える可能性が高いです。
- お年寄りと話すことが好きな人
- コミュニケーション能力が高い人
- 思いやりを持って気配りができる人
- 心身ともに健康な人
- 土日祝日や夜間に働くことに抵抗がない人
それぞれがなぜ介護士に向いている特徴と言えるのか、詳しく解説します。
お年寄りと話すことが好きな人
介護士が接する相手は、お年寄りがメインです。そのため、お年寄りと関わりを持ったり話したりするのが好きな人は、介護士に向いていると言えます。
とはいえ普段からお年寄りと接する機会がない場合は、自分がお年寄りと話すのが好きかどうかの判断は難しいでしょう。お年寄りあるあるな「思い出話を何回も繰り返す」「なかなか出てこない言葉を一生懸命思い出すため話のスピードが遅い」などに向き合えそうであれば、お年寄りとの会話を好きになれる可能性が高いと言えます。
コミュニケーション能力が高い人
介護士にとって、コミュニケーション能力の有無は重要なポイントです。
介護の現場では利用者様との対話はもちろん、周りのスタッフとの連携も求められます。そのため「報連相」がしっかり取れること、仲間同士で何でも相談し合えるだけの人間力が必要となるでしょう。
加えてコミュニケーション能力は、話すことばかりが重要とは限りません。相談や会話が苦手な利用者様のなにげない所作から潜在的ニーズを感知できると、仕事がよりスムーズにこなせます。
思いやりを持って気配りができる人
どのような仕事においても「思いやり」は欠かせない要素ですが、介護現場ではとくに重要視されます。
利用者様の中には、これまで自分でできていたことに他人の手が必要になる、という状況に苛立ちを覚える方もいます。また病気や本人の性格上、うまく意思を伝えられない方も少なくありません。
そんな時に思いやりの気持ちを持って相手の立場に立って歩み寄れる優しさが、介護士には必要となります。
心身ともに健康な人
利用者様に満足してもらったり、ご家族に感謝をされたり、介護士はやりがいのある仕事です。しかし楽しいことばかりが続くとは限りません。
仕事で落ち込んでしまったりミスをしたりすることもあるでしょう。しかし暗い表情は、利用者様に不安を与えてしまいます。そのためどのような状況でも、気持ちを切り替えて明るく笑顔でいられるメンタルの強さが必要です。
加えて介護現場では、利用者様の身体介助をするケースが多くあります。身体介助は介護士の体力の有無も問われるもの。そのため、肉体的な健康・体力も介護士には欠かせないと言えるでしょう。
土日祝日や夜間に働くことに抵抗がない人
介護施設・事業所によっては、夜勤や土日出勤を求められる場合があります。働く時間にとくにこだわりがなく、柔軟に対応ができる人は、介護士に向いていると言えるでしょう。
「これまで平日休みで過ごしてきた」「平日のすいている時間に遊びに行きたい」という人は、介護士を仕事の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
職場別に求められる介護士の資質
介護現場と一言で言っても、さまざまな施設があります。そして施設によって求められる要素は異なるものです。
ここからは介護施設のタイプ別に、向いている介護士の特徴についてご紹介します。
入所型施設の場合
入所型施設は、利用者の方が寝食を行う場所です。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホームなどが当てはまります。
ケアマネージャーや看護師、機能訓練指導員などさまざまな職種のスタッフがいるため、役職の垣根を超えて接することができるコミュニケーション能力があると、働きやすいでしょう。
加えて1人の利用者様と接する時間が長いこと、さらに夜勤があるのも、入所型施設の特徴です。「利用者の方とじっくり向き合いたい」「夜勤で収入アップをしたい」という人も入所型施設をおすすめします。
通所型施設の場合
通所型施設は、日帰りで介護ケアを行います。利用者の方の送迎をし、入浴やレクリエーション、食事などを行う場所です。
通所型施設の介護士の仕事は、利用者の方にとって楽しく充実した時間を過ごせるよう、サポートをすること。楽しい企画を考えたり、利用者の方に笑顔になってもらえるようさまざまな工夫をしたりします。
このことから「楽しんでもらいたい」という思いやりを持った人が、向いていると言えるでしょう。
加えて通所型施設は、介護士の資格を持っていない人が働いているケースも珍しくありません。仕事内容もハードではないため、介護現場初心者さんやパートで働いてみたいという人にもおすすめします。
訪問介護サービスの場合
訪問介護サービスでは利用者様の自宅に訪問をし、身体介護や生活援助を行います。
利用者様の家の中で介護を行うため、利用者様の「生活ルール」を把握する察知能力、介護士が帰ったあとも利用者様がスムーズに過ごせる気配りなどが求められる現場、と言えるでしょう。
訪問介護サービスでは自宅で過ごす利用者様の「自立支援」も介護目的の1つ。どの程度まで手助けが必要か、見極めるさじ加減も訪問介護サービスでは欠かせない要素です。
介護士に向いていない人の特徴5選
ここからは、介護士には向いていない人の特徴をご紹介します。
次の項目に当てはまる人は、介護士には不向きかもしれません。
- 自分のペースで仕事がしたい人
- 相手の立場に立って物事を考えられない人
- 潔癖症の人
- 短気で怒りやすい人
- 効率重視の人
1つずつ、なぜ向いていないのか理由を見てみましょう。
自分のペースで仕事がしたい人
介護現場において、スタッフ間の連携は必須です。自分のペースで仕事をしていると、伝達漏れや周りのスタッフの仕事がしにくい状況が発生する、といった可能性があります。
その結果、利用者様がけがをしたり最悪な場合には命に関わったりするケースもゼロではありません。
また、介護とは利用者様のペースを大切にするもの。相手のペースに合わせて待つことができない、自分のペースでさっと仕事を済ませたい、という人は介護職に向いているとは言い難いでしょう。
相手の立場に立って物事を考えられない人
介護の現場では、つねに利用者様の目線に立つ思いやりが求められます。相手をよく観察し何が必要なのか想像をすることで、利用者様の快適な生活をサポートします。
利用者様だけでなくそのご家族の方の気持ちを汲み取ることも、忘れてはなりません。介護に関する不安な気持ち、要望を理解できない介護職員には、「大切な家族を任せるのには不安……」という印象を抱いてしまうでしょう。
これらのことから、相手の立場に立って物事を考えるのが苦手な人は介護職には不向きかもしれません。
潔癖症の人
介護現場では、利用者様の排泄や入浴介助をするシーンもあります。とはいえ、利用者の方も「できることならお風呂や排泄は1人で行いたい」「他人の手を煩わせたくない」と思っている場合がほとんです。
潔癖症で排泄物や利用者様の体に触ることに嫌悪感を抱く人は、利用者様の尊厳を傷つけてしまう危険性があります。
短気で怒りやすい人
利用者様の中には、動作がゆっくりな方や言葉がなかなか出てこない方、同じ話を何回も繰り返す方もいます。短気で怒りやすい人は、そんな利用者様にイライラしてしまい、仕事を楽しめないかもしれません。
また、利用者様の中にはサポートを拒み、自分でできないことへの歯がゆさを介護士にぶつけてしまう方もいます。利用者様の苛立ちに落ち着いて対応ができない、イライラにイライラで返してしまう人は、介護職は避けたほうが良い可能性があるでしょう。
効率重視の人
介護現場では利用者様のペースを大切にします。そのため、時には1つの仕事にじっくり時間をかけたり、非効率的な作業が求められたりすることもあるでしょう。
時間内に効率良く仕事をしたい、というタイプの人は、介護現場ではストレスが溜まってしまうことが考えられます。
まずは気持ちが大事。自分に合う職場を探してみよう
「自分は介護に向いている!」と確信を持って介護士になる人は、あまり多くありません。向いているかどうか不安であっても、実際に働いてみれば仕事内容や職場環境、人間関係が自分にぴったりだったというケースも珍しくないものです。
少しでも介護職に興味を持ったなら、まずは自分に向きそうな職場で、働き始めてみてはいかがでしょうか。続けるうちにお年寄りの方と関わる楽しさ、感謝される充実感を得られるはずですよ。